Agricultural engineering農業土木事業
自然との調和を図りながら、より安全で豊かな農場環境を実現
圃場(ほ場)整備
「ほ場」とは古くは「圃場」と書きました。「圃」という字は「田圃(たんぼ)」を表しています。弥生の昔から先人が営々と築いてきた田んぼでありますが、最近の農業の機械化や、農家の高齢化、後継者不足を背景に、次のような不都合が生じています。
- 田んぼ沿いに道がなかったり、狭かったりして農作業車が通れない入らない
- 田んぼに水をやるのに手間がかかる
- 排水が悪くいつも田んぼが湿っていて、野菜などが作りたくても作れない
- あちこちに田んぼが散らばっていて行き来に手間がかかる
- 田んぼの形がいびつで田植えや稲刈りに不便
これらを一気に解決するのが「ほ場整備」です。今ある田んぼを広く使いやすい形に整形し、排水や用水路の整備を一体的に行い、次の時代に伝える田んぼの整備をする事業です。
農業土木事業の主な施工内容
乾土整地
一般的な簡易圃場整備の整地状況、乾土整地
(5t級超々湿地ブルドーザー+レーザーレベル使用)
畦畔整形
一般的な畦畔の仕上げ状況
(0.45m³バックホウ+レーザーレベル)
反転均平(トラクター仕様)
反転均平は、トラクター又はブルドーザーに装着されたレーザープラウ、レーザーレベラーを使用した新しい整地工法です。
従来の突き均し工法に対応した反転均平1と、表土扱い工法に対応した反転均平2があります。
作業はレーザープラウで土壌の反転耕起を行い、乾燥後レーザーレベラーで運土・整地を行うのが基本です。
反転均平(超々湿地ブル仕様)
平成25年より 4T級 超々湿地ブルドーザー(フルオート仕様)+ プラウにて対応開始いたしました。
反転均平の特長
- 反転均平1は、突き均し工法と比較して、面積が50a以上になってくると、低コストに施工できます。
- 突き均し工法では切り土側の表土が盛土側に移動してしまいます。反転均平1は表土の移動が無く、表土厚が一定に確保されます。
- 反転均平2は、表土扱いをプラウで代替して行うため表土扱い工法より低コストで施工出来ます。
- プラウで反転耕起し乾かした上での作業であり、土壌の練り返しが少ない工法です。そのため透排水性の良い圃場に仕上がります。
- 表土と心土をプラウによって同一場所で反転することから心土だけの移動となり、表土の移動が少ないため、作物の生育のバラツキが少なくなります。
- 作業機の高さがレーザー機器によって自動的に制御されるため、オペレーターの熟練度に係わらず短時間に高精度な施工ができます。
反転均平の工程説明
- 計画田面積を算出します。
- 畦畔除去や農道撤去、排水路埋戻しをブルドーザまたはバックホウで行います。
- 圃場を乾かす必要がある場合は、バンプレーカで基盤土の破砕を行います。
- バックホウ等で排水路を掘削します。
- レーザープラウで計画田面積標高より高い水田を反転・耕起します。この場合、現況標高に表土厚を加えた耕起深で工事を行います。この作業により、基盤土と表土を反転させ、表土が計画田面高直下となるようにします。
- 表面に出現した基盤土をブルドーザによって計画田面標高より低い水田に運び、粗均平作業を行います。この際、新たに造成する畦畔および旧水路の埋戻しに必要となる土も同時に運びます。
- レーザープラウで計画田面標高より低い水田を反転・耕起深で工事を行います。この作業によって下層の表土を表面に上げていきます。
- レーザープラウで仕上げ整地作業を行います。